北条由美。

響の元カノで愛子の級友。

愛子同様、良家のお嬢様だった。

響に振られたことで彼女の自尊心は大きく傷つけられた。

しかも、友達の愛子に取られたのだ。

彼女の怒りは大きかった。

そして…由美は響のことを本当に好きだった。

由美はまだ諦めていなかった…



★☆アイコ☆★


 久しぶりのデートだった。

 最近、響は忙しくて携帯に電話しても出てくれなかった。

 正直ちょっと不満だったから…今日はすごく楽しかった。

 買い物の後、いつもの喫茶店に入り夜まで話し込んで家まで送ってもらった。

 今日会ったばかりだけど…

 声が聞きたい。

 携帯のメモリーを呼び出しコールした。


☆★ヒビキ★☆

 愛子を送り、帰宅した。

 

 人の気配…

 寝室からだ…

 ドアを開ける。

 そこにはシーツで前を隠す由美が立っていた。

 「驚いた?合い鍵、まだ返してなかったでしょ?」

 「……」

 19歳とは思えないほど官能的な瞳とボディーライン。

 俺が由美と付き合っていた理由。

 甘く笑いながら由美は近づいた。

 「ねぇ、楽しも…。忘れられないの…」

 「……」

 由美は身体を隠していたシーツを放した。

 「ふふ。いいでしょ?」


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