★☆アイコ☆★

ホントに聞こえてるのかしら…?

なんだか響くんと話していても会話にならない気がするなぁ。

響くんの曲を試聴するときに好んで選ぶ喫茶店の一角――向き合って座っている響くんは上の空…。

勇気をだして元カノの由美の話しを振ってみたのに適当に誤魔化されちゃった気がする。

去年の冬、1つ年上の彼氏が海外留学して自然消滅して以来彼氏はいない。

想えばその頃からだった。



私は響くんが好き。



元彼と別れてから半年も経ってないのにこんな気持ちになってるなんて、 軽いみたいで嫌だから誰にも言ってないけれど、気づいたら響くんのことが大好きになっていた。

「曲を聴かせたい」

携帯にそうメールが入った翌日は必ず響くんに会える。

私はいつからかそのメールが入るのを切望するようになっていた。

半年前から染めず長く伸ばしている髪形も、響くんが徹に「そんな女がタイプ」だと言っていたのを聞いたから。



どれだけ想っても、今のこの関係を壊すのが怖くて私は何もできずにいる。

こんなに伝えたいのに。 中途半端なアプローチを繰り返してるんだけど…鈍い響くんは多分私がおばあちゃんになっても気づかない気がするなぁ。



響くんの持ってきた曲に仮歌詞を載せ終えた。

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