響の腕の中は温かかった。
安心できる…まるで別世界。
抱きかかえられてそのまま寝室まで運ばれた。
すぐ数センチ横には響の顔がある。
あんなに泣いた後なのに…とても気持ちは安らいでいた。
私をベットまで運んできた響はただ私を抱きしめてくれている。
不安ってやつから私を守ってくれるよう。
「落ち着いた?」
優しい声。
「うん」
精一杯の声で返す。
私は今日、響に伝えると決めていたコトがあるんだ。
いま…いま言わなきゃ。
あんなこと言って、勝手に泣いた私を優しく慰めてくれた響に―――伝えなきゃ。