☆★ヒビキ★☆


きっと今の姿を徹に見られたら笑われるだろう。

ベットまで運んどいて手を出さず、ただ、泣き疲れた彼女を抱きしめている俺を。

「下半身男がぁぁぁ」とかなんとか…まあ想像はつく。

今はそんなことより愛子のことを大事にしたいだけなんだ。



 「落ち着いた?」

 我ながら心配そうな声。

 「うん」

 泣き疲れて、精一杯に返事が返ってきた。



今夜は朝まで愛子を抱きしめていよう。

何の関係もないことで心を傷つけた愛子のために。

朝まで隣りにいるから…。



「響……、」

神妙に話し掛けられた。

まるで今から最悪の事態がおこることを予測しているかのように。

「なに?愛子」

俺と目を合わせず…少しずつ言葉を紡いでいった。

 
もう2度と忘れる事が出来ないくらい鮮烈に。


「いろいろありがとう、響。でも…私のこときっと嫌いになるよ」

怖いくらい無表情で愛子は言葉を続けた…




「私、綺麗じゃないの。レイプされたんだ。……――――ごめんね」


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