ベットまで運んどいて手を出さず、ただ、泣き疲れた彼女を抱きしめている俺を。
「下半身男がぁぁぁ」とかなんとか…まあ想像はつく。
今はそんなことより愛子のことを大事にしたいだけなんだ。
「落ち着いた?」
我ながら心配そうな声。
「うん」
泣き疲れて、精一杯に返事が返ってきた。
今夜は朝まで愛子を抱きしめていよう。
何の関係もないことで心を傷つけた愛子のために。
朝まで隣りにいるから…。
「響……、」
神妙に話し掛けられた。
まるで今から最悪の事態がおこることを予測しているかのように。
「なに?愛子」
俺と目を合わせず…少しずつ言葉を紡いでいった。
もう2度と忘れる事が出来ないくらい鮮烈に。
「いろいろありがとう、響。でも…私のこときっと嫌いになるよ」
怖いくらい無表情で愛子は言葉を続けた…
「私、綺麗じゃないの。レイプされたんだ。……――――ごめんね」