「響の手、なんでこんな冷たいの?」

 しまった。

 今では体温調節もできなくなっている俺の身体は通常体温がとても低かった。

 迂闊だった。

 なんとか取り繕うとバカな言い訳を並べる。

 「俺、低血圧なんだ。冬、大変だから愛子が温めてよ」

 我ながらなんて苦しい言い訳なんだ。

 「うん!わかった」

 納得するのかよ!

 とりあえず不信感を持たれなくてよかった。

 愛子には言えない。

 育った環境で得たこの病気と特異体質のことは…。



 後になって、気づいた。

 もうこのとき、完全に愛子のことを愛していた事を。




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